藤原の伝統的な白炭づくり
2016.11.20 NEWS
藤原は昔から、白炭を焼いていました。
白炭は、備長炭と同じ焼き方で、真っ赤に焼けた状態で炭窯から、引き出し、土をかぶせて一気に火を消します。高温で焼くため、炭窯も天井まですべて石を積み上げて作ります。
まだしっかり技術を伝えられる地元の古老に指導してもらい、炭窯作りから焼き方まで手取り足取り教えていただいております。
十分に窯の内部を熱してから、「タテマタ」という金属でできたY字の道具を使って炭材を窯の中にたてていきます。これがかなり難しい。
窯が木でいっぱいになったら、「クチタキ」といって、入り口で、がんがん火を燃やします。しっかり火が付いたら、石を組み入り口をふさぎ、空気が入らないように土と木を使って、小さな空気孔を残して密閉します。
あとは煙の様子を見ながら炭化するのを待ちます。
煙が白から黄色、最後には青白くなってきたら、そろそろ炭出しにはいります。ここで、あせって口を開けないで、少しずつ空気を送りながらゆっくり時間をかけて空けていきます。
窯を開けた時のエネルギーはものすごいです。
興奮、熱気、癒し。
うまくは言えませんが人間の本能的な部分に響いてくるような、そんな力を感じます。
ゆっくりと壊れないように窯の外に引き出します。よく焼けた炭は金属音がします。
土と灰の混ざった物を上からかけて鎮火させます。
冷めたら、ふるいで選別して出来上がりになります。それと同時に、新しい木を窯の中に投入してエンドレスで炭を焼いていきます。通常の炭焼きでは、炭が焼けたら、空気を遮断して窯の内部で鎮火させ窯が冷めたら炭を取り出します。このように焼いた炭を黒炭といいます。藤原の炭は、備長炭と同じで、焼けたら窯の外に引き出して、鎮火させる製法で白炭と呼ばれます。
何日か焼くと窯の内部がマグマの様に真っ赤になり、生の木でも投入するとすぐに燃え出します。この石に蓄熱させその熱を利用して木を炭化させていきます。このような状態になると毎日炭が出せるようになります。