11月27日(旧暦10月10日)の夜は、年中行事のひとつ十日夜『とおかんや』。
この行事、藤原集落をちょくちょく訪ねるようになって3年、いつか体験したいと望んでいた行事です。
願いが叶いました!!
思っていた通り!いや!!
それ以上に楽しい風習\(^o^)/
『とおかんや』日本中で復活しないかなぁ!
この感覚レポートしよっ!!!
【十日夜】
旧暦の10月10日に行われる収穫祭。田の神が山に帰るとされる日。東日本で十日夜、西日本では亥の子と呼ばれる風習で、地域によって祀り方が異なり、郷土風情が根強く現れている。
ここ、藤原集落では、日が落ちて暗くなると子供たちが『つとっこ』と呼ばれる藁鉄砲を持って、家々を訪ね、唱えごとをいいながら地面を叩く。これは、作物にイタズラをする土竜を追い払うと云われている。家主は、来年の作物安泰を喜び礼を言い、子供たちにお菓子を渡す。
つとっこの作り方
地域によって異なる。ここでは、今夏亡くなられた生き字引惣一朗さん伝授『惣一朗モデル』
1.稲刈り後の藁 根元の方をすぐる。
床に落ちたくずを『しび』といい、布団に綿の代わりに入れると、しび布団になる。とても温かいそう。
2.大人の男の人が片手で掴める位の藁の元を揃える
3.ばんこから5~10cm位だして、木槌でばんこの幅叩く。この時回しながらまんべんなく。叩くと叩いた部分が柔らかくなり縛りやすい。
4.穂の部分も同じように回しながら叩く。
5.つとっこの芯に入れる枯れた茗荷の茎を採りに裏庭へ。地面に打ちつけたときに良い音が鳴ると云われている。
11月の茗荷はこんな感じ
6.茗荷は藁と向きを合わせて、芯に入れる。
7.叩いた部分を縄で『巻き結び』に結わく。
8.結び目を軸にして折り込む。この時、茗荷が表に出ないように気を付ける。
9.元から10~15cmのところで巻き結び。押さえる人と結ぶ人、ふたりで行うとしっかりと結べて丈夫なつとっこになる。
10.縄を巻いていく。
11.元を股に挟み、ふたつに割る。
12.それぞれ左ないで縄をあみ、本結びでしばればとってができる。はみ出した藁を鋏で切り整える。
学校から直行で子供たちがやって来た!
子供たちも作ります。
個性溢れる『つとっこ』が揃いました。
さあ!『つとっこ』も出来たところで、「さて、とおかんやへ繰り出そう!」その前に、腹が減ってはなんとやら、大きな声で唱えごと。つとっこ大振り叩かにゃイタズラ土竜も追い払えん!!
集会所はお祭り騒ぎ!よいしょ!よいしょ!のお餅つき
ゆらゆら湯気のけんちん汁やおでん、藤原産新米にぎりめし。
大人たちから子どもらに腹ごしらえのエール!もう、そら力が湧くっしょ!!生き字引惣一朗さん遺作のもち米で力餅、新米にぎりめしの米も惣一朗さんの遺作。
大騒ぎに頬張る姿、きっと惣一朗さん喜んでるね。
「とおかんや♪とおかんや♪ あさそば きりにゃあ♪ ひるだんご♪よおめし くっちゃ♪ぶったたけ!」
こんばんは!
つとっこ持って一軒一軒訪ねる。家主が出てきたら、唱えごとを唄いながら、つとっこ振り回し地面を叩く。それさえ守れば何でもござれ。週始め降った雪の残り物、雪かき山を叩き割る。凍結した坂道を滑り降りたり、雪合戦しながら移動している。そんな子供たちは、チップ&デールやゾンビの仮装っ子も。昔から伝わる風習だけれど、大切にすることと、時代の流れで変わって行くこと。真の伝承が、そこにあるように感じる。
和製Halloweenじゃないか!
「こんで土竜もこないかねぃ」
ありがとうの印にお菓子を貰ってご満悦。どんどん唄声が大きく叩きが強くなる。汗かいて仮装もぐちゃぐたちゃだよ(笑)
十日夜のお供え(しょうぎに大根とあんぴんを供える)
今宵13軒の御家を回り、袋いっぱいの戦利品。大騒ぎの収穫祭。ランドセルを背負い直し子供たちが帰路につくと集落に静けさが戻った。
なんじゃこりゃ!
楽しいじゃないかい!
外来収穫祭Halloweenの比じゃないぜ!
日本中に広まれ~✨✨
文責:藤岡和子
十日夜2014