藤原にある、たくさんの民宿やペンション、ロッジ。
残念ながら跡継ぎのいるお宿は、そう多くはありません。
そんな数少ない跡継ぎ、ロッジとんちの二代目になるべく修行中の中島真人(まさと)さん。
今回は、藤原で産まれ育った中島真人さんに藤原の魅力を聞きました。
藤原で産まれ中学まではこの地で育った真人さん。
中学生まで夏は片道約4キロの道のりを歩いて学校まで通ったそうです。
下校途中に、熊に遭遇したときはビックリしたと笑って話してくれました。
当時の藤原では、高校からは藤原を出ることが当たり前という風習があり、
真人さんもおばさんの家に下宿しながら沼田市の高校に進学。
藤原のおいしい水を飲んで育った真人さんは、都会の水の臭いに
とても驚いたそうです。
その後、大学を卒業し、一旦は地元企業に就職。
しかし父、利根男さんが体調を崩したこと、田舎で人と接する仕事をしたい、と思ったことを
きっかけに32歳のときに藤原へ戻ってくることを決意します。
藤原に戻ってきてから奥様と出会い、結婚。
3人の子供を授かりました。
戻ってくるときは、収入が減ることなど心配もあったそうですが、
藤原での生活は支出がそれほどかかりません。
今では、格好良い洋服や車より、機能が良い長靴に興味があるとか…。
ロッジでの仕事の他に、冬は宝台樹スキー場でのスキーインストラクター、
夏は水上高原ゴルフコースで働き、地元NPOの活動、消防団で分団長を務めたりと
忙しい毎日。
そんな日常の中で
「親父の作ったきゅうりやトマトを子供がもいで食べたり、ブルトーザーに乗って除雪している姿を見て、
がんばれ!!と声をかける子供たちを見ると藤原へ戻ってきたのは間違いではなかったと感じる」
と力強く話してくれしました。
藤原が世界の中心だと思っていた真人少年。大人になり、外の世界を知った後、
藤原の水や、藤原で感じる四季それぞれのニオイが忘れられず戻ってきたのでした。
最後に「やっぱり藤原が好きなんだよね」と笑顔で話してくれました。